
「不都合な真実」が ”MOVIXさいたま” にやって来たので早速見てきた。アル・ゴアとジョージ・ブッシュが大統領選で接戦を見せていたとき、丁度私はフロリダのタンパに出張で滞在していた。 会社の仲間たちはスポーツ観戦のような感覚でゴアを応援していた。結局負けてしまったが、ゴアが大統領だったらイラク戦争は起きなかったのかも知れない。 しかし、大統領になれなかったからこそゴアはかくも精力的に「地球温暖化問題」に取り組んだのではないかと思う。
地球温暖化についてのゴア自身による講演がドキュメンタリー形式で描かれていて、まるで1時間半の講演を直接聞いたような感じの映画だった。 スライド映像を中心にしてユーモアを交えながら事実をデータで分析して分かり易く説明してくれるので説得力がある。 一方で、ゴアは ”地球温暖化は政治問題ではなく道徳上の倫理的な問題だ” と言いながらもブッシュ政権を痛烈に非難しているのも事実である。自分の議論に都合の良い事象や意見やデータを巧みに集め、”都合の良い真実”ばかりをことさら強調し断定すると、逆に信憑性が低下してしまう。CO2による地球温暖化は事実であると思うし、”発展途上国の貧困”と並んで地球的な規模で取り組まなければならない課題の一つであると考えるが、多くのディスカッションを通じて、事実を一つ一つ確認し複数のシナリオを検証していくことも重要だと思う。 とは言え、世界中の多くの人がこの映画を見て、他人事ではなく、自分に出来る事をしていけば、温暖化防止までは出来なくても遅らせることは出来るのではないだろうか…とは本当に思った。ゴアの言った通り、絶望的に考えるのではなく、前向きに取り組むことが大事なんだと実感させられた映画であった。 エンドロールでゴアが掲げていた ”すぐにできる10の試み”は以下のとおりである。10番目を見るとアメリカ人特有のジョークを感じずにはいられない。
Change a light Turn off engine Recycle More Check your tires Use less water Avoid products with a lot of packaging Adjust your thermostat Plant a tree Be a part of the solution Encourage your friends to see An Incovinient Truth
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